cafe N24 by kodomosekai

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Author:cafe N24 by kodomosekai
         
ようこそ、札幌市北区北24条にある 街の小さな図書室カフェ「cafe N24」ブログへ!
このブログは「cafe N24」の扱う複数の SNSから発信された情報や、店頭での掲示情報を集約してご紹介していく、いわば「店舗情報まとめ用ページ」です。
情報更新には多少タイムラグが発生しますが、普段 SNS を扱われない方や、N24の様子を一括して知りたい方にはお勧め致します。
当店には公式 SNSアカウントとして、
  
1) 店舗情報や地域情報をマスコットのエゾリスちゃみが面白可愛く呟く「Twitter」
2)店舗情報や地域情報を SNS担当が更新する「Facebookページ」
3) 札幌や北24条の街の様子を N24店主家内が呟く「Twitter」
  
…の3種類があります。
各々のTwitter・Facebookページは、アカウントの有無に関わらず自由に御覧頂けますので、最新の cafe N24 情報は是非公式 SNS からチェックして下さいね。
それぞれのアカウントへは下「cafe N24 関連リンク」からワンクリックです!

■cafe N24 by kodomosekai
札幌市北区北24条西6丁目2-2 
チサンマンション札幌第3・1階

■TEL/070-6607-2406(店舗直通)

■定休日/月曜日、他休業日あり   
休業日のお知らせはブログ・WEB・SNSにて告知  

■営業時間
火~土曜日 12:30ごろ~21:00まで 
日曜・祝日 12:30ごろ~19:30まで 
(ラストオーダーは閉店30分前)

■駐車場/なし
近隣コインパーキングあり、お問い合わせ下さい

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イベント直前!エッグペイントアーティスト かえるサン、ロングインタビュー*

  1. 2017/04/26(水)

いよいよ今週末に迫ったN24イベント “エッグペイントアーティスト かえる 個展 【点と線と円】 ~たまごに描く、私の世界~”。
お陰様で大通り情報ステーション様に委託したフライヤーは完配、N24店頭配布分も残りわずかとなりました。
イベントを気に掛けて情報をチェックして下さっている皆様、フライヤーをお手に取って下さった皆様、有難う御座います。

clickで拡大
かえる個展201704左/完成 (1413x2000)
かえる個展201704右/完成 (1413x2000)

さて
改めまして 「エッグペイント」。
この言葉を今回の機会で初めて耳になさり、戸惑われた方もいらっしゃるかもしれません。

エッグペイントとは文字通り、卵の殻に着色して作品にするアートジャンルです。
つまり、絵を描く時には欠かせない「キャンバス」が卵の殻、という訳ですね。
例えば近年少しずつ一般家庭でも楽しまれているキリスト教の4月のお祭り「イースター(復活祭)」では、御馳走を食べたり卵で遊んだりするそうですが、それらに欠かせないのが綺麗に色付けされた卵「イースターエッグ」。これもまた、エッグペイントアートと言えるのではないでしょうか。
  
今回N24で個展を開く かえるさんは、日本ではまだ馴染の少ないこのエッグペイントにアーティストとして取り組み、作品を生み出している御1人です。
かえるさんのエッグペイント作品は全て1点もの。1つ1つ丁寧に極細の絵筆などで着色し、その作品の特性からレプリカは作れません。その卵の殻の曲線・模様に描かれる点や線や円は眺めるほどに引き込まれ、まるで小さな宇宙をも思わせるのが作風の特徴です。

かえるさんがエッグペイントに実際使用している絵筆。
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ではそんな彼女の作風・ペイント技術は一体どこから生まれたのでしょうか。
彼女はなぜまだ世間的にも馴染みの浅いエッグペイントに取り組むようになったのでしょうか。

そのお話の原点には、漫画が大好きな小学校高学年の とある女の子が登場します。
彼女はやがて年齢を重ねるとともに「好き」と「得意」の違いを知り、そして、自分の作品を通して「観る人の感情を動かしたい」と強く思う1人のアーティストへと成長していきます。

今回のロングインタビューでは アーティストネーム かえるサン 事 鈴木楓さんが、いまなぜエッグペイントアーティストの道を進んでいるのか。
彼女が小学生の女の子「鈴木楓」から、現在の「アーティストかえる」に至るまでの姿を、ご本人のお話を通して追ってみました。

出典 : かえるTwitter https://twitter.com/_gekori
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(インタビュー聞き手:N24店主家内/以下“わたし”)





Episode 1:「N24」─ cafe N24 との出会い。

わたし 「今日はよろしくお願いします。楓さんには以前 N24での別イベント時にカフェスタッフとしてもお手伝い頂いていて、お互いかなり勝手知ったる仲なので(2人、笑) 今回は時にフランクな“いつもの感じ”も交えてインタビューさせてください。(笑)
ではまずはインタビュー中の呼び方なんだけれど…ご本名は“鈴木 楓”サン、アーティストとしては“かえる”サン。今回はアーティストさんへのインタビューという事で、お名前はかえるサンで良い…かな?」

かえる「じゃ、じゃあ、“かえる”で…」

わたし「かえるサンですね。では、改めましてかえるサン、どうぞ宜しくお願いします。」

かえる「お願いします!」

わたし「まず、かえるサンがお客様としてN24を知ったきっかけを教えて頂けますか?」

かえる「私はビセン(北海道芸術デザイン専門学校)出身で、当時学校の近くにN24さんがあるのは分かってたんですけど、最初1人で入るにはちょっと…って思ってて。丁度1年生の終わりくらいに友達とラフ画を描きたくて、そこでN24に立ち寄ったのが初めての訪問です。その日はお茶を飲みながら、ラフ画や、そこから派生した自分の好きなもののスケッチとかを自由気ままに色々描いてたんです。」

マスター「そうだったよね!僕はその時の事をよく覚えてるよ。確か歯車を2つ描いていたから、そこから僕なりにイメージされる児童書『海底2万マイル』を席に持って行って見せたんだよね。」

かえる「(笑)一度来たらあとはもう入りやすくなって。落ち着ける場所というか。」

出典 : かえるTwitter https://twitter.com/_gekori
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わたし「で、そこから通うようになってくれたのかな。」

かえる「N24さんは、とにかくネーム出しやラフ出しがやりやすい雰囲気で。それは今も変わりませんね。ただ、学生の時はクロッキー帳とペン、それから色鉛筆と消しゴムを持ち歩いていて、とにかく描いて、気に入らないものは消してたんですけど、今は消しゴムは使わないです。下手くそでも、それはそれって思えるようになって。それよりも消しゴムで消している時間を、新しいものを描く時間に充てた方がいいと思うようになったんです。とにかく数を描くようにしようって。」

わたし「おー…(驚)でも、とにかく数を描くって事は、時に苦しい事もあるんじゃないのかな。例えばもし描く事に行き詰まってしまったら?」

かえる「その時は、資料収集や外部の情報・ネットとのコンタクトを絶って、紙とペンだけ持って、気の向くままに思いついたものを描きます。」

わたし「それでも描けなくなったら?(笑)」

かえる「うーん、それでも出てこない時は筆記具を変える事で気分転換してみたり…。でも基本的に昔から、どんな時もペンは離さなかったですね。趣味のイラストや、昔の事とか好きだったイラストとかを思い出して描いてみたり。あ!あと漫画読んだりしながらそれを模写したり、やっぱり何かしら描いてますね。(笑)」

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Episode 2:「漫画」─ 描くこと、独学と試行錯誤。

わたし「漫画を模写って話が出たけれど、元々は漫画が描きたかった?」

かえる「はい。イラストで人物画が描きたいっていうのが一番最初ですかね。もとは漫画が好きで、漫画やソーシャルゲームのイラストが描きたくて。」

わたし「漫画っていうのはアニメーションではなくて漫画本のこと?」

かえる「はい。最初 小学校高学年の頃は少女漫画とかを読んでいて…いや、読み漁っていて(笑)漫画好きはそこからですね。で、中学生のある時をきっかけに少年漫画を読むようになって、そしたらその中に作品の世界観が際立っていると感じた漫画があって一気に影響されたんです。そこで初めて 自分もこういうのが描いてみたい!って強く思いました。」

わたし「じゃあ、描くことに本格的に目覚めたのはそこから?」

かえる「そうですね。最初はひたすら好きな漫画を模写したりしてました。」

わたし「その想いからビセンのイラストレーション専攻に進みたいと?」

かえる「そうですねー…、イラストレーターになりたいって思いもありましたけど、それ以前にイラストレーション専攻に入れば色々な“描く”技術を学べると思ったし、着色の技術もあげたかった。それが大きな理由ですかね。」

わたし「グラフィックではなくてイラスト?」

かえる「そうですね。グラフィックっていうと例えば、駅とかに貼ってある広告とか、コンサートのポスターとか。画像や文字を画面上で動かしたりって話になるんですけど、私は平面にイラストを描きたかったんです。」

わたし「なるほど。」

かえる「あと、ビセンで選択授業に『漫画』っていう科目があって。わたしはとにかく漫画が好きで、結局漫画が描きたかったんで。」

わたし「徹底して漫画好きだったんだ。凄い熱意だね。ところで、ビセン入学前はどんな画材で絵を描いてたの?」

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かえる「中学の頃はひたすら手描きでしたね。しかも色を付ける時は絵の具の種類とかも良く分かってなくて、実はポスターカラーでイラストに色付けしてたりしました!(笑)」

わたし「え?普通のイラストにポスターカラー塗ってたの?」

かえる「そうなんです。(笑)そこに高校あたりからペンタブが私の手持ちの画材に加わったんですけど、ペンタブは独学で必死にいじって動かしてましたね。」

わたし「独学でペンタブ?!」

かえる「そうです。もともと美術系の進路に進みたいと思っていたから、今からデジタル触っておかないと時代に追いつけないなって思って、それでちょいちょい使えるようにしたいと試行錯誤してたんですよ。本とか雑誌とか見ながらしてましたね。」

わたし「それが高校生の頃。」

かえる「はい。」

わたし「じゃあその時代は“探求心”という最高のエンジンをフル稼働させて、様々試行錯誤しながら描いていた時期だったんだね。」

かえる(笑)

ずっと愛用しているという 筆洗バケツは、彼女が今まで描いてきた歴史を一番近くで見てきた いわば「相棒」。
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Episode 3:「ビセン」─ 好きな世界と現実と。

わたし「そんな時代を経て、いよいよ念願のビセンに入った訳だけど。イラストレーション専攻で入っている訳だから、先程の話にも出た通り描く対象は平面。とすると、少なくとも今やっているエッグペイントの世界とはまだ違うジャンルだよね?」

かえる「(笑)違いますね~」

わたし「どうやったらイラストからエッグペイントに、自分の製作作品が移行していくのか?気になるなぁ…」

かえる「まずそれまではとにかく漫画が好きで、漫画が描きたくて、自分の好きなように描いていた延長線でビセンのイレストレーションに入りました。」

わたし「うん。」

かえる「そうするとそこには様々なレベルを持った“その道を目指している人”や“その道に立っている人”が居るわけなんですよね。」

わたし「なるほど。」

かえる「今までは自分の漫画やイラストは自ら、凄いぞ!いけるぞ!って思っていたのが、イラスト業界の片隅に在る“ソコ”に立って周りを見回した時、今まで見ていた景色とは少し様子が違ったんですよ。
例えばもの凄くイラストの上手い人がすぐ隣にいたり、プロじゃないかと思うような人が素人の立場で“自称 趣味”として描いていたりとか、とにかく一言でいうなら“上手い人”を周りに沢山見つける事が出来たんです。
私にすれば本職の漫画家さんに遜色ない作品を描いている人なのに、その人は“いやー、私なんかまだまだ趣味の域で”何て言ってる訳ですよ。そうするとそこに自分を重ねた時にね、もう、全然ダメだなと。自分は好きと実力が伴っていないと分かっちゃったんです。そうなったらもう、うまい人には何をしたって叶いませんよね…」


わたし「うーん…。自分の作品を客観的に見る環境に立ったんだね。」

かえる「しかもですね、漫画の読み手と描き手は所詮(目線などが)違うので、自分の描いた作品をバーッて並べて客観的に見て『どれがいい?』って自問自答した時に選んだ作品は、(ストーリー)漫画と言えるものではなかったんです。」

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わたし「というと?」

かえる「丁度私の在学していた年、集英社の編集さんが来てたので授業で描いていたオリジナルの漫画も見せたんですけどね。反応いまいちで。」

わたし「うん…」

かえる「悪い評価をされることはなかったんだけど“絵、上手だな”で終わったんですよ。」

わたし「ほう…」

かえる「そうなった時に、自分の描いたものを見て“これって(ストーリー)漫画って言えるのか?”ってすごい思ったんですよね。でもその時点ではまだ漫画が好きで、漫画が描きたいとかイラストレーターになりたいとか、自分の夢はそこに固執していたんです。」

わたし「それがビセンの…」

かえる「1年の頃でしたね。」

わたし「そっか。それで、じゃあビセンの2年になりました。当然就職が視野に入ってくるから、授業の教科も より実践的な具体的な内容で範囲が広がるよね。」

かえる「そうなんです。でも、でもですね。実はまだ私は漫画を描く道をあきらめられなかったんですよね。本当に漫画が好きだから。…ただ、同期の子ですごくイラストがうまくてその業界に向いてる子がいたんです。」

わたし「うん。」

かえる「その子は作品を色々な賞に出していて入賞もとっていたんですけど、私にしてみれば“この人のレベルでも『入賞』なのか!”って。それを知った時に、私は無理だ…ってまた1つ感じたんです。
実際ビセンのOB・OGの皆さんや先生にも現役のイラストレーターの方はいらっしゃるんですけれど、その方たちの作品を見ても、やっぱり…」


わたし「例えばそこで、卒業後はプロの漫画家のアシスタントになろうとか、そういう選択肢はなかったの?まあ、狭き門だとは思うんだけれど…」

かえる「それは全くなかったですね。漫画を描くなら私は私の世界が表現できる、作者本人が良かったんです。」

わたし「世界が表現できる?」

かえる「はい。私なりの基準で、私の好きな世界観という物があるんです。一言では言い表せないんですけど。」

出典 : かえるTwitter https://twitter.com/_gekori
↓「夜の子」 ※本画像の転用・転載はご遠慮ください
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わたし「それは昔から、つまり漫画を読み始めた時から変わらずに持っているもの?」

かえる「そうですね。例えば初めて表紙買いした漫画は中学生時代に出会ったジャンプのDグレ(D.Gray-man/星野桂 作/集英社)なんですけど、その表紙から見えてくる世界観がすごく好きで、それは今も変わらないですし。」

わたし「なるほど。」

かえる「私の作品を、私の好きな世界観の中に作りたいって。私ってそうなんだって。」

わたし「そうか、その気持ちが常にあるから、漫画を描きたいと思っていても、漫画家さんのアシスタントになろうという選択肢は毛頭なかったんだね。」

かえる「そうなんです。」

わたし「自分の漫画を、自分の好きな世界観で描きたかった。」

かえる「はい。」

出典 : かえるTwitter https://twitter.com/_gekori
↓「夜の子/かえるに怒られる」 ※本画像の転用・転載はご遠慮ください
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Episode 4:「卒業制作」─ 得意なジャンルで世界をつくる。

かえる「ビセンの授業に“ビジュアルデザイン”っていうグラフィック系のジャンルがあるんです。」

わたし「ビジュアルデザイン?」

かえる「例えば、パッケージの授業とかはお店をイメージして、そこのショップカードを作ったりバック(紙の手提げ袋)を作ったり。」

わたし「あー、なるほど。」

かえる「自分としては漫画が好きだから、まあ正直漫画を描く事はまだ諦めきれずにいたんですけれど、このパッケージの授業の課題が自分でも意外なくらい私にとって すんなりできる課題だったんです。」

わたし「ほお~」

かえる「パッケージに限らず、主にグラフィック系の課題は本当に作品の完成をイメージ・デザインするのが楽で。私のクラスでは悩む人が多い中で、私は“それ”を使う相手をイメージすればアイデアが浮かんで、スムーズに形に出来たんです。」

わたし「凄いね。」

かえる「私のやりたいものは漫画なんだけど、グラフィック系のデザインに私向いてるのか?ってなんとなく思ったら、担当の先生方からも高評価をもらったり、グラフィックに向いてるって言われたりして。」

わたし「うん。」

かえる「そこで、“(私の場合)好きなものと仕事になるものは違うんだ”って、認識したんです。」

わたし「そうか。」

かえる「結果、ビセンを卒業する時に先生から“君は最初からグラフィック(に向いた素質)だったよ”って言われたんですけど。」

わたし(笑)

自身でデザインした自分の名刺
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かえる「考えたら、1年の時、ポストカードのデザインをしたら評価が高かったんですけど、あれもグラフィックなんですよね。」

わたし「先生は最初からアート業界の どのジャンルに向いてるか、見抜いてたんだね。(笑)
そんな気付きを経て、いよいよビセンの卒業制作に入っていくんだけれど、どういう作品を提出して卒業したの?」

かえる「自分のブランドを作って、それをトータルコーディネートしたんです。」

わたし「─── ん?」

かえる「自分の好きな分野ではなくて、得意な分野で勝負しようと決めたんです。
まず、自分の中の世界観からオリジナルの“ブランド”を作る(設定にする)んですよ。で、そこで販売する商品を作る。私の場合は雑貨というか小物?置物?を主に樹脂粘土で形成して色を付けたり装飾したり、自分のブランドコンセプトに沿った商品をとにかく作るんです。で、最終的にはそれらを陳列して店頭を作り、その店頭を“卒業制作の作品”としてビセンを卒業しました。」


わたし「…在籍してたのは…イラストレーション専攻だったよ、ね?」

かえる「はい。(笑)」

わたし「その専攻の卒業制作で、商品を作ってお店を展開したって…よく卒業認めてもらえた、ねぇ…(笑)」

かえる「もう思い切って自分の得意な部分を全面に打ち出した展開にしたんですよね。卒業制作って実はそれを作る過程も大切で、製作中に2回、先生方の審査を受けるというか。私はその審査を、企業に新商品を売り込みに行くような場面だととらえて、企業にプレゼンをするような気持ちに置き換えて挑んだんです。」

わたし「は~…面白いねー!他の人が大きな絵を描いてるのと同じ土俵で商品のプレゼンしてたのかー!」

かえる「はい!(笑)資料も用意して。ブランドコンセプトから始まった紙の資料を作ったり、商品サンプルを作ったりして、本当に企業の新商品をプレゼンしに行く時さながらに。(笑)」

わたし「それで最終的にOK出たんだもん、凄いよね。」

かえる「卒業制作の規定でB全版2枚分の作品を制作するか、もしくはそれに匹敵すると認められる熱量の作品を制作するかみたいなものがあって。(笑)私は後者として認めてもらえました。(笑)」

出典 : かえるTwitter https://twitter.com/_gekori
↓「2017年 年賀状」 ※本画像の転用・転載はご遠慮ください
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Episode 5:「模索」─ 紙とペンから離れた時間。

わたし「さて、無事にビセンを卒業したわけなんだけど。いわゆるデザイン系会社や一般企業に就職する方向性ではなくて、創作活動を重きにする、いわば“アーティスト組”として社会に出たわけだよね。この段階でもまだ“エッグアート”との出会いはないわけなんだけど、卒業後はどう過ごしていたの?」

かえる「実は卒業から半年くらい、普通に働きながらペンと筆から離れたんです。絵の具とかデジタルとかも、なし。」

わたし「ああ、その時期は私もよくN24で話をしてたから知ってるなー。」

かえる「そうでしたよねー。働きながら、ミニチュアの創作物をちょっと作ってみたり。その作業は、何だか懐かしかったですね。何かをやりたいような、でも何をやりたいのかわからないような。一般就職も考えたりしたんですけれど、でも自分の部屋に帰ると画材が置いてあるんですよ。それ見ちゃうとね、何か描きたいな~なんて考えてみたり。」

わたし「うん、そうだったよね。」

ビセン卒業後、現在のエッグペイントの作風に巡り合う前に試作していたミニチュア作品の1つ。
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かえる「私、もともと模写するのが得意なので、自分の好きなアーティストさんの描いている絵のタッチに似せて〇〇風に〇〇描いてみた、とか。作者の特徴をとらえるのが楽しくて、そのうちそんな事をしてみたり。あとは模様を描いてみたりとか、そんな流れを経て またペンと紙を持つ自分に戻りました。」

わたし「そう、その模写が得意っていう話は今回初耳なんだよなあ…」

かえる「自分の個性を出すようになったのは、本当にここ最近の話なんですよね。(笑)
そんな中でですね、ある日とうとう出会うんです。“ストーンアート”っていうのかな…石に模様を描いてアート作品にするんですけど。たまたまそのアーティストさんの作品の画像を見て、単純に“この人の、ほしい!” ・ “凄いなー!”って感じたんです。」


わたし「それってある意味、学生の頃に“Dグレ”を表紙買いした、あの直感と似てるよね。」

かえる「それでふと考えたんですよね。画材は目の前にある、この画材が使える。この人は石をキャンバスにして作品を作っている。そこからインスピレーションをもらって、私ならどうする?って…」



Episode 6:「たまご」─ 私は描く。 点と線と円を。

かえる「何をキャンバスにしようか、いろいろ考えました。木材?長方形の何か?正方形の?…でもしっくりこなかったんです。
閉鎖的なものではなく開放的で、新しく、面白い、何か。観る人が“これって何だろう?”と思うような素材、世界観。
そうなってくると私、とことん突き詰め考えて、リサーチして、ひたすら探求していくんですよ。
そうしたらふとイースターエッグの事を思い出して、あ、卵の殻に何か描けないだろうかって。」


わたし「お!」

かえる「そこからまず“エッグアート”(卵を使って何らかの作品とする)を調べてみたんです。
けど、なかなか資料が集まらないんですよね。でもそれってつまり、まだエッグアーティスト人口が少ないって事なんじゃないかと。
更に“エッグペイント”(卵に絵を描いて作品とする)は なおのこと資料が少ない。そこで直観的に思ったんです。この土俵なら生きていける、私らしい世界観が表現できるって。」


わたし「遂に来ました!」

かえる「そこからは“エッグペイント”に対する試行錯誤の始まりでした。(苦笑)」

わたし「うん。」

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かえる「模写が得意なので まずはストーンアートの絵付けを真似てみたり、卵の殻を鉢にして植物を植えている画像を見つけたら自分も試しにやってみたり、卵の殻の中に蠟を入れてキャンドルにしてみたり、とにかく様々試作して研究してみました。」

わたし「あの時代は、卵&〇〇っていう試作品が多かったよね。」

かえる「そうでしたよね。何かと何かを掛け合わせて、私の好きな世界観を作りたかったんです。
でも実際試作品を作ると、どうしても卵の殻にも何か描きたくなる。殻に模様を描くとどうしてもそこ(模様)に目が行くと気づいたんです。だったら一層、2つの掛け合わせをやめて、卵の殻にペイントをして作品としての完成度を高めよう、と。」


わたし「それで、いまの。」

かえる「はい!現在の私のエッグペイントスタイルが誕生したんです。自分のエッグペイント作品を見て下さる相手の方を想像して、こういう人に見せたい・こういう想いを伝えたい、そう具体的にイメージすることで自分の作品スタイルもまとまって来ます。」

わたし「なるほど。そうすると、ビセンを卒業してからここまでの時間は、“自分の作品を見て下さる相手のイメージを探していた”時間でもあったのかもしれないね。」



Episode 7:「個展」─ まずは直接見てほしい、そこから。

わたし「かえるサンのエッグアートには、様々な雰囲気の模様が描かれていて、“これとこれを描いた人が同一人物なんて不思議だな”と思う事もあるんだけど、どうしたあんなに様々なタッチの絵があるの?」

かえる「私はまだ駆け出しだし、私の作品をどういう方々が見て下さるのかもまだまだ未知数なんですよね。だから色々な種類の模様を用意して、その中のどれかが私の作品を見てくれた方の感情を動かせたらいいなって、そう思ってるんです。」

わたし「感情を動かす?」

かえる「はい。私のエッグアートを見て頂いた感想で“好き”と言って下さる方、“嫌い”と仰る方、私はどちらの感想も支持するんです。だってそう感じてもらえたって事は、私の作品を見て そう感情が動いたって事だから。それだけで私は“よっしゃ!”(ガッツポーズ)となるんです。(笑)」

わたし「ほー。」

かえる「だけど、見てもらえない事には好きも嫌いもないじゃないですか。だからまずは見て頂きたいなと、ほんの数分でもいいから時間を頂きたいなと思うんです。
その上で、作品を間に置いて作者とお客様がコミュニケーションをとれたらもう、有り難い限りですよね。」


わたし「そうだよね。」

かえる「今は漫画をやめて、良かったと思っています。漫画は読者の感情を動かしますよね。
私も漫画作品と同様に、自分の世界観を通して 誰かの感情を動かしたくてしかたがなかったんだと思うんです。
今、私にはエッグアートという作品があって、それを見て感情を動かして下さる方がいる。
私はまだアーティストとして名前も知られていないです。けれど、でも、だからこそ、今は挑んでいきたいんです。
まずは私の作品を見てもらえた事への感謝、そして好き嫌いの意見を持ってくれた・感情を動かしてくれた事への感謝、それを糧にして創作をしていきたい。私の世界観を形にして、これからも もっと広げたいと思っているんです。」





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かえる (鈴木 楓)
1994年生まれ、稚内出身
北海道芸術デザイン専門学校 産業デザイン学科・イラストレーション専攻

受賞歴
平成25年/円山動物園ポストカード入選
平成25年/さっぽろミュンヘンクリスマス市クリスマスカードコレクション入選
平成25年/公益財団法人通信文化協会てづくりレターコンクールおとなの部絵はがき部門入賞

活動
平成28年 3人展「ROOM SHARE」
平成29年 4人展「冬展」、個展「たまごに描くわたしの世界」


かえる
https://twitter.com/_gekori
https://www.instagram.com/kaerunote17/
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005255299240

たまごのオーダーも受けつけております。なにかありましたらお気軽にkaerunote17@gmail.comまでご連絡くださいませ!

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