スポンサーサイト
恐竜のパンツ*
いよいよ、今年も卒業式の時期を迎えましたね。
N24は2011年の5月にOPENしました。
N24が北24条に対して「新入生」だったOPEN当時、同じく「新入生」だった学生のお客様方が、この春、何人もこの「卒業」の岐路に立ち、社会に巣立ったり・新たな目標に向かっての準備期間に入ったりと人生の転機を迎えられています。
今まで沢山のお話を伺いながら、お互いおしゃべりして、時には一緒になって考えたり喜んだりしてきた彼・彼女達の新たな門出。
実は見守る私達も、ちょっとドキドキしています(笑)
そして嬉しいような、なんだか寂しいような、それから誇らしいような気持ちになりながら、新しい世界に飛び出していくその背中を眩しく感じています。
卒業式というと、園や学校を卒業するご本人にとっての「大事な節目」という印象が強く感じられますが、実はお子さんの学校(園)生活を見守り・支えてこられた関係者の皆様、そして何よりご家族、こと親御さんにとっては人一倍大切な、想いの詰まったセレモニーなのだと思います。
マスターの母上が「子育ては待つことの勉強」と奥深い言葉を私に教えてくれましたが、親御さんにとってお子さんの卒業式は「待ちに待った晴れの日」なのではないでしょうか。
今、卒業式を迎えるあなたに、「本当におめでとう」。
そして
今、卒業式を迎えられるお子さんをお持ちのご家族・親御様方、本当におめでとう御座います。
さて、そんなこの季節に、1人のお母さんが自費出版されたこの本をご紹介したいと思います。
そのタイトルは…
~香りのあるものがたり~
恐 竜 の パ ン ツ
作・くぼゆうこ
絵・くぼこうた

この本はご縁があってN24にやって来てくれました。
自費出版本なので、書店などには流通していない貴重な一冊です。
臨床検査技師としてお仕事しておられた著者 くぼ ゆうこ さんは、とある時にフィトテラピーという植物療法に巡り会いました。
そこでハーブの香りや薬草を使う療法を学ぶ中で、その講師をなさっていた先生の会社のホームページに「香り」をテーマにした物語を掲載する話が舞い込んできます。
当時小学生だった ゆうこさんの息子さん、こうたさんが物語の挿絵を担当することになり、親子二人三脚の「執筆活動」がスタートしたのです。
3年余りの連載期間、この「親子の二人三脚」は欠かさず続けられ、「いつかこれを本にしたいね」と言った こうたさんは、今年成人式を迎えました。
この本は、こうたさんの成人を祝って、母親である ゆうこさんが「物語」の中から選りすぐった4作を収録した記念本であると同時に、親子の二人三脚の記録でもある本当に温かな一冊です。
表題作「恐竜のパンツ」より


4作の収録作品はどれも家族の温かさがふんわりと周りを包んでいるような、「気配のする」作品ばかりで、そこはやはり香りを題材にしている作品だからなのかな。
4作ともに個性の違う素敵な物語です。
一般的に「目頭が熱くなる」のは、きっとバラの香りの「おおきくなったら」。
でも、私がグッと来たのは、シナモンの香りの「流れ星」。
「流れ星」は、主人公の時間軸が転換していくので、じっくり・しっかり読みたい物語です。
ところが読んでいると次第にドキドキと高揚がとまらなくなってきて、終盤に差し掛かる頃には、余白を飛ばして目で文字を追ってしまう躍動感に包まれます。
星の勢いが・2人の興奮する息遣いが、本当にリアルに感じられるのです。
読みながら「この描写と感覚、ただ事ではないぞ?」と思っていたら、あとがきを読んで妙に納得したのでした。
特にP.66からP.67にかけての興奮は、物語ではなくそのままの文章なのでは?と思わずにいられません。
そして、シナモンのきいたミルクティーの一節で、これはN24でいうところの「N24のチャイ」かなあ…なんて、ふと現実に引き戻されたりもして。笑
収録作「流れ星」より

この本は、今卒業を迎えたあなたに、そして見守ってきたあなたにも、おすすめの一冊。
そして是非「まえがき」・「解説」・「あとがき」まで、余すところなく読んでいただけると私としては本望です。
「恐竜のパンツ」はN24の嫁本コーナーに置いてありますので、ご興味おありの方は是非お手にとって御覧下さいね。
●何でだろう?今日は絵文字を使わずにいたい気分なので、シンプルにしてみましたww